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Web is dead

昨年秋に話題となったクリス・アンダーソンの"THE WEB IS DEAD"の全訳がGQ JAPANから期間限定公開されている。
http://www.gqjapan.jp/images/201101/web_is_dead.pdf
本誌の解説で小林弘人氏も言っていたが、マイケル・ウォルフの指摘のほうが興味深い。

グーグルはオープンなシステムと公平なアーキテクチャの象徴と言えるが、皮肉にも、見事な戦略を持って、そのオープン性をほぼ完全にコントロールしているのだ。これほど見事に産業全体が1人のプレーヤーに従属することは、ほかでは想像できない。グーグルのモデルを映画産業に当てはめれば、映画を配給するのは1社だけで、さらにそこはすべての映画館も所有していることになる。
<中略>
重要なのは、創業者のマーク・ザッカーバーグが帝国を築く明確なビジョンを持っていたことだ。そのビジョンには、フェイスブックというプラットフォームの上に開発業者がアプリを作り、アプリは常にプラットフォームに従属することがあった。それは権力の根本的な移転と言えるだけでなく、権力の特別な集中だった。無数の起業家からなるウェブが、1人の大物起業家のビジョンに支配されるのだ。
<中略>
結局のところ、ウェブは編集者ではなくエンジニアによって作られたものであり、オンラインメディアとデザインに関する最も先進的なフォームであるはずのウェブサイトが、HTMLによって構築されているゆえに、広告媒体としてはかなりひどいものだという事実にこれまで誰も関心を払わなかったのだ。



"WEB"という用語に何を込めるか?で、クリス・アンダーソンとマイケル・ウォルフの立ち位置は多少異なるようにみえる。
ただ、HTMLの限界(仮にHTML5になったとしても…)についての議論は今に始まったことではない。
ジェイ・デイヴィッド・ボルター+ダイアン・グロマラ著の「メディアは透明になるべきか」(原題"Windows and Mirros")は、シーグラフ2000を題材に書かれた2003年刊行の本だ。この「はじめに」の中でWWWの歴史を語っている。

デザイナーたちはすぐさま、構造主義者の言語であるHTMLをマスターした。ウェブの画面を十分にコントロールできないこの言語について、デザイナーたちは"未熟な言語"だと見なした。構造主義者たちは、情報をいかに組織化するかという彼らの考え方に従って、ページの外観ではなく、構造(パラグラフ、リスト、リンクなど)を記述する言語としてHTMLを作ったためであった。外観は各ユーザーが決めるというのが、テクノロジーの民主主義という倫理に基づく構造主義者たちの信念であった。
ここが、構造主義者とデザイナーの、宗教的とも言うべき大きな違いであった。構造主義者は、形式と内容とは分離し得るし分離すべきだと信じる分離主義者であり、ウェブ・サイトはコンテンツをユーザーに流すためのパイプだと思っていた。凝った視覚的デザインは、むしろ情報の流れを疎外するとして反対した。他方デザイナーたちは、一神論者(ユニテリアン)であって、形式と内容とは分離できないとの確信を持っていた。言葉と画像の入念な相互作用を通じてメッセージを伝えるのがウェブ・ページであるとし、印刷画面を完全にコントロールして楽しんだように、ウェブの画面も(程度の差はあれ)完全にコントロールすることを望んだ。デザイナーにとって、ウェブ・ページは経験するものであった。そのためにさらに多くのHTMLタグを要求した。


歴史はまさに繰り返している。HTMLはCSSによって表現力を高めてきたが、そのHTML5というウェブの世界を支配しているのはGoogleだ。一方で、Googleの影響が及ばないソーシャル・メディアをFacebookが開拓し、モバイル・インターネットではAppleが先陣を切っている。ウェブという技術が死んだわけではないが、そのイニシアティブを握るべきプレイヤーの新旧交代は次第に進みつつある。
10年前には構造主義者とデザイナーの二項対立で議論できた流れも、今ではプラットフォーム層で語る必要がある。
重要なのはUIだけではなく、配信方法がどういう仕組みに依存しているか?どうパッケージングされているか?という点にある。
ソーシャル・メディア/モバイル・インターネット(スマートフォン)の世界は、そういう意味でも従来のPC中心のウェブの世界とは大きく異なるのである。
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自家製たい焼き ( マッパッパ より)

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自家製たい焼き ( マッパッパ より)
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hatena.com

意外だったが、サービス・ドメインはhatena.usではなくhatena.comだった。
whoisでみる限り、別の所有者がいたようだが譲ってもらった、ということだろうか?
とにかく、まずは、はてなの米国進出を祝したい!

http://www.hatena.com/

同時に国内でも同様の新サービスを開始した模様。

はてなダイアリー日記

はてなスターTシャツ欲しい!
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英EMIグループ、ユーチューブと提携

いよいよ一気に業界動向が幅広く変化していき、経営決断を要する案件がますます増えていくだろう。
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あなたは独立向き?起業家適性診断テストで占ってみよう

Test Results How do you compare

あなたは独立向き?起業家適性診断テストで占ってみよう

http://jp.techcrunch.com/archives/are-you-a-y-combinator-founder/

当たっている部分もあり、当たっていない部分もあり。
http://likebetter.com/
が開発したテスト。
それにしても、版権はクリアになっているのだろうか?

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海外SNSビジネス #2 『競合・新興勢力の動き』

古めのエントリー記事(2005年12月4日)ではあるが、アメリカSNS事情を俯瞰できるので、一部抜粋する。

日本・海外SNS、人気は特定のサービスに偏る傾向
http://nicemeets.com/taiken/archives/000629.shtml
アメリカではRyze、Tribe、LinkedIn、Friendster、Spoke、Visible Path等、日本と比べ物にならないくらいたくさんのSNSが立ち上げられ、運営されています。
それでもやっぱりトップレベルの人気サービスは限られてきてMySpace、Hi5、Friendsterがベスト3となるそうで、その他のサービスは会員数の伸びが鈍化するサービスも珍しくないらしい。
(technologyreview)

元ネタはこちら。

Social Networking 3.0
http://www.technologyreview.com/read_article.aspx?id=15908&ch=infotech

言うまでもなくMySpace、LinkedIn、Friendsterが有名だ。そして、MySpaceを追う競合としてBeboやTagWorldがある。

SNSの米Bebo、米国以外でMySpace.comを猛追
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/08/09/12953.html
MySpace.comは米国では依然として50.18%の市場シェアを持ちSNSでは首位の座を固く守っているが、米国以外ではそうでない。オーストラリアではMySpace.comが16.68%のシェアで首位を保っているものの安泰ではなく、ニュージーランドではBeboが、香港ではXangaが、シンガポールではFriendsterが首位の座を保っている。

人気の米SNS「MySpace」に新たな挑戦者--「TagWorld」がサービス開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20092709,00.htm
TagWorldを開設したEvan Rifkinは、「MySpaceが最終形だとは思わない。これはSNSやオンライン音楽サイトのスタートに過ぎないと思っている」と述べている。

そして、SNSの基本特許をFriendsterが取得したことによって、SNS業界の図式は大きな波乱含みとなっており、ここでもLinkedInが重要な鍵を握っていきそうだ。

FriendsterがSNSの基本特許を取得,競合他社とのライセンス交渉が始まるかも
http://zen.seesaa.net/article/20444352.html
RED HERRINGの解説によると,Friendsterの特許は別のソーシャルネットワーキング技術関連特許を引用しているという。引用された特許は,今の SNSブーム以前の2001年にSix Degrees社によって取得されたものだが,その後,LinkedIn とTribe.netの創立者によってオークションで買い取られている。
こういう背景もあるので, LinkedInなどのSNSがFriendsterの特許を侵害しているのかどうか,はっきりしない点もある。

さて、ビデオ共有サイトという括りでいくと、YouTubeを中心に以下のような競合サイトがある。

YouTube一人勝ち阻止へ競合サイトが続々参戦
http://www.nikkeibp.co.jp/netmarketing/column/web_mkt/060913_video2/
YouTubeと同じようなビデオ共有サイトも次々と生まれている。Google Videoのほかにも最近ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメントが買収を発表したGrouper、Revver、Veoh 、Metacafe編集機能をつけたJumpcut、VideoEggなどが続いている。

特にRevverのビジネスモデルは興味深い。

映像と利益を共有するサイト、Revver
http://japan.cnet.com/special/media/story/0,2000056936,20314887,00.htm
Revverのサイトが本格運用を迎えてからわずか1カ月で、同社はYouTubeで最も人気が高い一部の映像制作者を引き込むことに成功している。たとえば、「Lonelygirl15」の制作スタッフだ。

CGMメディアとしてのSNSが、今後ビジネスモデルとしての分岐点を迎えるとすれば、広告収入をどうやってユーザと分配するか?という点になってくるのだろう。
日本ではまだ表面化していないが、アメリカのソーシャルメディア(SNSやソーシャルニュースやソーシャルブックマーク)は、明らかにこうした段階に突入している。

ソーシャルメディアのトップユーザに報酬を。勢力は変わるのか?
http://jp.techcrunch.com/archives/top-social-media-users-getting-paid-is-the-balance-shifting/
* Diggのトップユーザーの中には喜んでいないユーザーもいる
* Calacanisによれば、Netscapeが雇ったトップコントリビューターたちは、ページビューを急増させている
* YouTubeのトップユーザーは、プロの製作者だった
* YouTubeのユーザーはプロ化していき、プロはYouTubeで成功している。
* MySpaceはもはや練習の場ではない。販売のプラットホームである。
* Revverには独自のスターが存在し、彼らは収入を得ている。
* みんなParis Hiltonが嫌いだ。

ユーザにプレミアム課金する、というモデルは、おそらく通用しなくなるだろう。
圧倒的なユーザー数を牽引するために、広告収入の利益分配をビジネスモデルに組み込む必要が出てくる。もはや、Amazonのアソシエイト・プログラムの収益を運営者側とユーザー側のどちらが持つべきか?という矮小な問題のレベルではなくなってきているのだ。

広告商品の付加価値を高め、その収益をユーザーと分配することで、さらなるユーザーの拡大と広告収入の増大を目指す…当面は、こうしたCGMビジネスが定着していくのではないか?と思う。
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以上で、SNS関連のエントリーは、ひとまずお休みとします。ここ数ヶ月の間にも刻々と新しいITニュースが流れ、SNSの話題にこと欠かない日々が続いています。SNSはWeb2.0の一部とは言いにくい側面もありますが、ネット・ビジネスの主軸として、しばらくは目が離せない動きが続きそうです。
ご愛読ありがとうございました。

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国内SNSビジネス #2 『ターゲットSNS』

B2Bの各業種向けSNSやB2Cの各世代向けSNSなど、ありとあらゆるターゲット向けSNSが登場している。ここでは、代表的なものを紹介していく。

日経ベンチャー経営者倶楽部がSNSを開始--Beat Communicationがシステムを提供

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20321667,00.htm
「日経ベンチャー」が運営する日経ベンチャー経営者倶楽部は11月20日、サイト全面リニューアルに伴い会員間のコミュニティ機能としてメンバーズサロン(SNS)を正式にリリースしたと発表した。

Beat Communicationは、B2C向けの登録制(オープン型)SNSも運営している。

会員以外にも閲覧可能なオープン型SNS「vyyt!」が正式公開
http://v.japan.cnet.com/news/article/story/0,2000067548,20277607,00.htm
SNSパッケージの販売とSNSのASPサービスを手がけるBeat Communicationは10月17日、会員以外のユーザーでも閲覧可能なオープン型SNS「vyyt!」を正式公開した。

Beat Communication
http://www.beat.co.jp/
「vyyt!」
http://vyyt.com/

Beat Communicationは、各業種・業界向けSNSの構築を手がけている。ビジネスSNSも多数構築した実績がある。
SNSビジネスは、mixiやGREEのようにB2C向けのメディア(ネット広告)事業が柱となる一方、Beat CommunicationのようにB2B向けのSNSソリューション事業も大きな可能性を秘めているといえる。

実績紹介
http://www.beat.co.jp/contents/result.html

Beat、建築家などを対象にしたSBIホールディングスの新SNSに技術提供
http://v.japan.cnet.com/news/article/story/0,2000067548,20317807,00.htm
Beat Communicationはこのほど、SBIホールディングス(SBIH)にソーシャルネットワーク技術を提供、SBIHが建築家やデザイナーを中心にしたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「デザインハウスプロジェクト」を開始したことを発表した。
「デザインハウスプロジェクト」
http://dhp.re-guide.jp/
完全な双方向ではなく、Blog発信権限は運営者側が選別した建築家&デザイナーに限定されており、クライアント側は自分の気に入った建築家&デザイナーに対してコンタクトをとる、という形式になっている。
そういう意味では、SNS機能を取り込んだマーケット・プレイスといってもいいだろう。

さて、日経(NIKKEI NET)が40代以上をターゲットに、コンテンツとコミュニティ(SNS)の融合をはかったサイトが『日経WagaMaga』である。

日経WagaMaga
http://waga.nikkei.co.jp/
https://waga-sns.nikkei.co.jp/
40代から団塊の世代までを中心とした「オトナ」の年齢層向けに、アタマとカラダを刺激する独自のコンテンツを満載。無料の会員制ページ「日経 WagaMagaラウンジ」では、旬の著名人らが話題を提供するコミュニティーに参加して感想を書き込めるほか、自分の日記「マイページ」を立ち上げて他の会員との情報交換もOK。会員登録するには、すでに会員になっている人からの「招待」が必要。

シニア・ビジネスの可能性が謳われる昨今だが、このターゲティングがあまりにも大括り過ぎるという議論もある。日経WagaMagaはターゲット年齢層を40代にまで引き下げ、より広範なリーチをとろうとしているようだが、逆にターゲット・デモグラフィが曖昧になってしまっている。
日経新聞読者及びNIKKEI NET読者をターゲットにするのであれば、日経ブランドだけではなくコンテンツ・リソース(過去の新聞データベースなど)も活用するくらいの意気込みがあっていいのではないだろうか?

一方、明確にシニア層(及び予備軍)をターゲットにしたSNSコミュニティサービスを構築するベンチャー企業もある。

小僧com
http://www.kozo-japan.com/index.html
過ごしたいと考えているアクティブな "シニア=小僧" たちと、そんな "小僧" に憧れる30代、40代のエグゼクティブやプロフェッショナルたちに、さまざまなコミュニティサービスをご提供します。

有料会員を主体に考えているようで、それだけの会員ロイヤリティを確立できるかどうか?がポイントとなるだろう。

これらのように業種や世代でターゲット・セグメントを切ったSNSビジネスというものがどうなっていくのか?
また、国内でのSNSビジネスのノウハウを海外で展開しようという事例も出てきた。

インデックスグループ、2007年春をめどに中国でSNS事業を開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20329147,00.htm
インデックスグループは11月27日、2007年初春をめどに中国でソーシャルネットワーキングサービス(SNS)事業を開始すると発表した。日本で提供する携帯電話向けSNS「Gocco」(http://gocco.jp/)を、中国での拠点会社Skyinfoを通じて展開する。

特にモバイルSNSに関して、日本は他国に比べて一歩先をいっている印象を受ける。
単に技術的ノウハウだけではなく、運営ノウハウやビジネスモデルの構築にあたっても(現時点においては)アドバンテージがあるといえるだろう。

グロービス・キャピタル・パートナーズ小林氏に聞く「投資したいWeb 2.0企業」
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/web2/2005/12/26/6848.html
CGM的なところで、日本でも特化型というか垂直型のSNSがどんどん出てきてますが、あれらは全部消えて淘汰されると思います。技術面やインフラ面で革新的なことをやらないで、業界特化とかターゲットの絞り込みに動くのは、CGM的なサービスとしては逃げであって、バブル期にもありましたが、やはりほとんど消えてしまいました。

このコメントにもあるように「CGM的なサービス」(B2Cビジネス)としてみたときに、業種やターゲットを絞り込むモデルは得策ではないのだろう。B2Bのソリューションとしては、SNSもツールのひとつとしてコモディティ化していくのではないか?と考える。
SNSビジネスを展開する上では、こうしたポジショニングも精査した上で、「ターゲットSNS」の可能性を検証していくべきだろう。

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海外SNSビジネス #1 『大手ポータル・サイトの動き』

「ポータル」という言葉自体が死語になりつつあるが、USサイトのトラフィック・ランキングをみると、GoogleによるYahoo!包囲網(※)のため、Yahooに危機が迫っていることが伺える。MSNも厳しい戦いが続くだろう。
Yahoo
Google
MySpace
MSN
eBay
Amazon.com
YouTube
Craigslist.org
Wikipedia
CNN

(USのサイトAlexa Top 10)

※:GoogleはMySpaceやeBayとは提携、YouTubeは買収、Wikipediaには資金援助という形で関与している。但し、eBayはYahoo/Googleの双方と提携をしている。

AOLは既にTop 10から脱落しているが、最近無料サービス(広告モデル)に特化してから業績が向上している。ここでは、Google以外の三者(Yahoo,Microsoft,AOL)の最近の動きについて紹介したい。

◆Yahoo!

Yahoo!、Facebook買収交渉で行き詰まり
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/12/news079.html
Googleの迅速なYouTube買収と比べて、Yahoo!の拡大路線は減速している。人気SNSのFacebookとの買収交渉も、近いうちにはまとまりそうにない。

米ヤフーのSNS事業買収、グーグルのユーチューブ買収で急務に=アナリスト
http://www.thinkit.co.jp/free/news/reuters/0610/11/4.html

Yahoo!の「ピーナツバター」戦略を幹部が批判
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/20/news060.html
米Yahoo!の上級副社長が同社の投資戦略を、パンの上に非常に薄くピーナツバターを塗るようなものだと批判した。(ロイター)
 組織再編を求める今回のメモは、Yahoo!株を年初来31.5%安へと突き落とした一連の問題を受けてのもの。
同社は、はるかに急速に成長するライバルのGoogleに後れを取るまいと急ぐ中で、広告事業の一部不調に苦しんでいる。
 問題のメモ――Yahoo!の投資戦略を、パンの上に非常に薄くピーナツバターを塗るようなものだと主張していることから、「ピーナツバター・マニフェスト」と呼ばれている――は、創業12年の同社の「急進的な再編」を求めている。

さて、そんなYahoo!の最近のM&Aがどんな事業に向けられているか?を見てみよう。

Google, Microsoft, Yahoo Acquisitions
http://www.shmula.com/blog/timelines/google-microsoft-yahoo/g-y-m.htm

このサイトでは、各社がどんな企業を買収したか?時系列でみることができる。
関連するITニュースの見出しと共に、以下に抜粋・整理してみる。

米Yahoo!、Web上で動画を編集できる米Jumpcutを買収
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/28/13433.html

Jumpcut
From the Yahoo! SearchBlog: "Yes it's true! Jumpcut just announced they've agreed to join us, which will make Yahoo! Video an even better place for people to create, share, and discover great video online. If you haven't heard of Jumpcut, it's a San Francisco-based startup that has a passionate community of users and a great suite of online video editing capabilities. "
Tue, 12 Sep 2006 13:01:00 GMT

Yahoo!、オンラインコンテストサイトBixを買収
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/18/news011.html

Bix
Bix.com is a site that allows users and advertisers to create, enter into and judge online contests. The deal is an attempt by Yahoo to bolster its offerings in social media, an area where it has struggled to compete with sites like MySpace and YouTube.
The purchase price was not disclosed.
Fri, 17 Nov 2006 13:01:00 GMT

MyBlogLog、Yahoo!に買収 Yahoo!と買収交渉中
http://jp.techcrunch.com/archives/mybloglog-to-be-acquired-by-yahoo/

MyBlogLog
MyBlogLog is acquired for $10 Million USD.
Fri, 17 Nov 2006 13:01:00 GMT
MyBlogLog is a blog community and analytics tool used here on TechCrunch (see sidebar) and many other blogs around the web. Just recently out of beta, the site gained traction in a hurry.

KenetWorks
The acquisition of KenetWorks is part of Yahoo's focus on the mobile space.
Fri, 17 Nov 2006 13:01:00 GMT
つまり、「動画編集」「オンラインコンテスト」「Blogツール」「モバイル」というわけで、GoogleやMicrosoftに負けないためのポートフォリオ(株価維持のためのIR情報)をなんとか作ろうとしている様子が伺える。


◆Microsoft

Microsoft,SNS機能を統合した新ブログ・サービス「Windows Live Spaces」を開始
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/USNEWS/20060803/245037/
米Microsoftは米国時間8月2日,ブログ・サービスの新版「Windows Live Spaces」を開始した。Microsoftが同日明らかにしたもの。従来のブログ・サービス「MSN Spaces」をベースに,ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)機能などを追加している。

MS、YouTube対抗サービス「Soapbox」のテストを開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20237347,00.htm
MicrosoftがスタートしたSoapbox on MSN Videoは、人気のビデオ共有サイトYouTubeを真似たものだ。
YouTubeは、素人のユーザーが作成した動画を共有するという点で、オンラインで大きな話題を呼んだサービスだ。このほかにも、オンライン動画市場には、Google Video、Yahoo Video、Revverなど多くのサービスがある。

MSN Soapbox
http://soapbox.msn.com

Microsoftは、MSNという枠組みをWindows Liveに移行するための産みの苦しみ(?)を味わっている。
SNSやビデオ共有の機能を組み込んで、なんとかトレンドに追いつこうとしているが、後手に回っている感は否めない。
一方で、MicrosoftのSNS絡みのトピックとしては、以下のようなものもある。

米MicrosoftからスピンアウトしたSNS「Wallop」がベータ版に
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/27/13417.html
独自のビジネスモデルを模索しているSNSの「Wallop」が、ベータ版サービスを開始したことを26日発表した。Wallopは、米Microsoftからスピンアウトしたベンチャー企業として知られている。このプロジェクトはMicrosoftで4年間研究された後、起業家のKarl Jacob氏とWallop開発者のSean Kelly氏によってベンチャーとして創業され、現在では複数のベンチャーキャピタルから資金を受けている。
Wallopが独特なのは、広告をビジネスモデルとして採用しなかったことにある。
Wallop
http://www.wallop.com/

Microsoft、ITプロフェッショナル向けSNS "Aggreg8"公開
http://journal.mycom.co.jp/news/2006/11/13/344.html
米Microsoftは、情報通信関連技術者向けソシアルネットワークシステム「Aggreg8」を開設、サービスの提供を開始した。サービスの利用には、Windows Live IDまたはMicrosoft Passportアカウントが必要。

Microsoft、Aggreg8をローンチ。まずい出来映え
http://jp.techcrunch.com/archives/microsoft-launches-aggreg8-dead-on-arrival/

…あまり評判はよろしくないようだ。


◆AOL

AIM Pages
http://www.aimpages.com/

AOLは、独自のBlogサービスの他にAIMユーザーをベースとしたSNSサービス「AIM Pages」を開始している。これは、MySpaceの競合サービスとなることを意図したものだろう。

AIM Pages ローンチの所感
http://jp.techcrunch.com/tag/Aim-Pages/

AOL、IM サービスの最新版『AIM 6.0』をリリース
http://japan.internet.com/wmnews/20061116/12.html
『IM Buddy Updates』という新機能は、『YouTube』『Digg』『Flickr』などのコミュニティ系コンテンツサービスでユーザーが何か更新を行なった時、知人リスト内のメンバーに RSS フィードを使って通知できる機能だ。

AOL Video
http://video.aol.com/

テキスト検索はGoogleに任せ、AOLは動画を中心としたリッチメディアの検索やアグリゲーションに特化しつつあるようだ。現時点でのAOL Videoの評価は決して高くない。しかし、M&Aや資本参加によって技術力の強化をはかっていることが伺える。

AOL Launches Developer Program for AOL Video Search Engine
http://press.aol.com/article_display.cfm?article_id=1052§ion_id=14
AOL Acquires Userplane
http://press.aol.com/article_display.cfm?article_id=1031§ion_id=14
AOL to Launch New Video Portal
http://press.aol.com/article_display.cfm?article_id=1019§ion_id=14

AOLも出資しており、AOL Videoと提携しているBrightcove社の動きが興味深い。

Brightcove、小規模ビデオパブリッシャーのためのネットワークをスタート
http://jp.techcrunch.com/archives/brightcove-launches-its-network-for-small-video-publishers/
Brightcoveのユーザーがサービスが提供されるのを待っている間にYouTubeがこの分野を盛り上げ、ニーズを満たし、買収されてしまったので、新サービスのベールが外されてみるといささかアンチクライマックスの感じがする。それでも、僕の考えでは、長期的にみると、小規模なビデオ製作者の配信チャンネルとして現実性のある道を開いたのではないかと思う。

AOL+Weblogs=Netscape?

この夏から、NetscapeはCGMサイト、いわゆるソーシャル・ニュース・サイトに変貌した。

http://www.netscape.com
Netscape.com is a service of Netscape Communications and Weblogs, Inc. and part of the AOL Network owned and operated by AOL, LLC, a Time-Warner company.

What is Netscape?
The new Netscape.com is a social news portal programmed by you?the audience! All of the stories on Netscape are submitted and voted on by our members. We also have a Netscape web browser.

しかし、その後の経緯は、あまりハッピーではない方向だ。

「ブログでNetscape復活」ははかない夢だ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/23/news020.html
ValleyWagサイトが報じたところでは、Time WarnerはWeblogsのジェイソン・カラカニスCEOをNetscapeの新しいディレクターに任命する計画だという。Weblogsは America Online(AOL)傘下の企業で、NetscapeとAOLはいずれもTime Warnerの傘下にある。

この記事が出てから半年余りで、以下のようなことになった。

Weblogs創設者、AOLを退社
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/21/news008.html
Weblogsを立ち上げ、AOLへの売却後もAOL内で運営を続けてきたジェイソン・カラカニス氏が、AOLを退社する。

カラカニス氏がAOLを去る要因のひとつには、AOLのCEOだったJon Miller氏が退任したこともあったようだ。
彼はMiller氏を “自分の人生で出会った数少ない師のひとり” と呼んでいる。

NBCUのトップがAOLの会長兼CEOへ
http://adinnovator.typepad.com/ad_innovator/2006/11/nbcuaolceo.html
NBC Universal Televisionグループのプレジデント兼COOのRandy Falco氏が、AOLの会長兼CEOになることが決まった。AOLはISPから広告によるポータルモデルに変換しつつあり、伸びつつあるビデオビジネスのためにはテレビでの経験が必要とのことだ。

AOLは、本来のDNAであるエンタテインメント・コンテンツに特化したWebメディアとしてのポジショニングを戦略としてとっているようだ。もうひとつの持ち味であるコミュニティに関しては、AIMブランドにおける巻き返しを期待できるが、残念ながらAIMのマーケティング上の強みは今やUS本国においてのみであり、グローバル展開を望むことは難しい。

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国内SNSビジネス #1 『モバイルSNS』

各サービスともにモバイル対応が進んできたが、ここでは代表的なSNSをあらためてピックアップしてみる。

◆GREE
「“予想外”のサービスはいらない」--EZ GREEに賭ける両社の思惑
http://japan.cnet.com/interview/media/story/0,2000055959,20306727,00.htm

モバイル版GREEが大幅リニューアル--EZ GREEと同等の機能を実装
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20316847,00.htm

au公式SNS「EZ GREE」スタートで、GREEはこう変わる
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/mobile/articles/0611/16/news024_2.html

現在グリーの登録ユーザー数は約35万人(2006年8月の数字)だが、ほとんどがPC版をメインに利用するユーザーだ。「今回の新サービスでは、携帯 “だけ”の人のためのサービスに注力した。携帯のみで利用しているユーザーはまだまだ少数派だが、今後急激に増えるだろう」と田中氏は話す。またGREE には年齢制限がないため、現在20代半ばであるユーザーの平均年齢が下がるだろう、とも予想している。
「携帯のみのサービスを開発するに当たって意識していたのは、SNSに(他の機能を)取り込むのではなく、他の機能にSNS的要素を付けたらどうなるかという考え方。」(田中氏)

KDDIの資本参加を受けて、auの公式SNSとなったGREE。
他の2キャリアのサイトもリニューアルした。ポジショニングとしては、PCに付帯するモバイル、ではなく、モバイルしか使わないターゲットへの訴求を前提としている。
今後GPSとの連携やキャリア公式メニューへのフィードなど、いろいろ斬新な試みがなされてくるだろう。日本はモバイル先進国なので、ここで培った技術はグローバルに移植することも可能だろう。そろそろ海外進出(?)も視野に入ってきているかもしれない。


◆mixi
mixi、モバイルメッセージ機能を全会員に提供。携帯電話での入会も対応
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/16032.html
ミクシィは、SNS「mixi」の機能拡充を12月に実施すると発表した。12月2日より有料会員以外でも携帯電話からメッセージが送受信できるようになるほか、12月4日からは携帯電話からの入会も可能になる。

いっぽうSNSでは現在一人勝ちと言われているmixiは、プレミアム会員限定だったモバイルメッセージ機能を全会員に提供することになった。モバイルの需要を喚起する上では、正しい選択だと思う。ヘビー・ユーザーにとっては欠かせないメッセージ機能だが、この機能のためだけにプレミアム会員になっていた層はごく一部のはずだ。
こちらも更なるモバイル・マーケットの拡大に向けて、新たな展開を模索している。
メディアとして広告媒体価値を高めてきたことが、モバイル広告ビジネスにも活きてくるだろう。


◆Any

Any、約5億の増資でSNS事業を本格化。2006年度で80万会員獲得を目指す
http://bb.watch.impress.co.jp/cda/news/14932.html
「米国で今流行のMySpaceやYouTube、Flickrはすべて外部に公開されたSNS。また、招待制はすでに下火になっている」と海外の事例を紹介した上で、「我々はユーザーが自由に参加でき、インターネットにも公開できる登録制を採用する」とした。
Anyのビジネスモデルは「インターネット広告」「オプション/コンテンツ」「CRMディベロップメント」「システムディベロップメント」の4つを柱とする。

Anyは、元ネットマイルの畑野氏が社長を務め、慶応大学の学生たちのアイディアと商社やVCから集めた豊富な資金をバックに「ビジネスとしてのSNS」を追求している。
こちらは、招待制ではなく登録制。MySpaceなどと同様に「来る者は拒まず」という仕組みだ。
現在は、ユーザー数の急増にインフラ増設が間に合っていないようで、一部機能制限をかけてサービスを提供している。


◆びーぐる
http://www.xgroove.net/sns/
18万人を超える会員(2006/9/15現在)を持つ"ケータイ×PC"SNS。
あくまでもケータイがメインであり、PC版は付帯サービスに過ぎない。
運営するエクスグループは、業界別SNSなどのパッケージ・ソリューションも提供している。


◆Gocco

日本最大級のモバイルSNS 「Gocco」動画対応にパワーアップ!
http://www.gocco.co.jp/press/r_20060927.html
2004年12月にモバイル専用SNS「Gocco」のベータ版を立ち上げました。モバイルならではのSNSを展開し、サービス開始以来順調に会員数を伸ばし、現在約35万人の会員数を擁し、モバイルSNSでは日本最大級の規模を誇り、確固とした地位を築きました。

インデックスグループ、2007年春をめどに中国でSNS事業を開始
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20329147,00.htm
インデックスグループは11月27日、2007年初春をめどに中国でソーシャルネットワーキングサービス(SNS)事業を開始すると発表した。日本で提供する携帯電話向けSNS「Gocco」(http://gocco.jp/)を、中国での拠点会社Skyinfoを通じて展開する。



◆モバゲータウン

成長速度はmixiの倍・9カ月で200万人 携帯SNS「モバゲータウン」の強さ
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0611/24/news027.html
携帯向けSNSが盛り上がりを見せ始めた。今年2月にスタートしたDeNAの「モバゲータウン」は9カ月で200万会員を獲得。10代から圧倒的支持を受け、mixiの倍速以上で急成長中だ。

登録無料のモバゲータウンは、広告モデルで運営している。ゲーム内通貨「モバG」(モバゴールド)がビジネスモデルのカギ。モバGは、アバターアイテムを購入するのに必須で、入会時に300Gもらえるほか、友人を招待したり、広告をクリックしたり、スポンサーサイトに登録したり、提携ECサイトで買い物するともらえる。広告クリックで2G前後、スポンサーサイト登録で50〜300G前後が相場だ。友人招待なら300Gもらえる。
モバGは現状、現金で購入することができないため、貯めるには多く友人を招待するか、スポンサーサイト登録や広告クリック、提携サイトからの購入を繰り返すほかない。「アバターを飾りたい」というユーザーの欲求が、集客と広告収入のドライブになる仕組みだ。

運営は、ビッダーズのディー・エヌ・エー(DeNA)。まさに携帯SNSビジネスモデルの典型的な成功例。ターゲットを携帯ユーザー(ティーン)とし、既存サービスのオイシイところをアレンジした感がある。

他にもモバイル対応済みのSNSはいくつもあるが、豊富なリソース&ユーザー数をベースにモバイルSNSとしてビジネス的な拡大の可能性が見えているのは、現時点ではこの辺りだろうか?
今後は、MySpaceなどのモバイル対応も始まるだろう。
○招待制か登録制か?
○B2Cだけではなく(広告であろうとASPであろうと)B2Bのビジネスとして成立するかどうか?
○トラブル防止のための監視体制ができているかどうか?
○プライバシーに配慮したきめ細かなアクセス制限機能があるかどうか?

こういった点が今後のSNSビジネスの明暗を分けていくのだろう。
先行優位性だけではトップをキープできないのが、ネット・ビジネスの面白いところでもあり怖いところでもある。

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ウワサのMySpace(ソフトバンク) #6

◆mixiに勝つ?

世界最大のSNSであるMySpaceは、はたして国内最大のSNSであるmixiを超える人気を集めることができるか?皆が注目しているはずだが、mixi支持派とMySpace支持派のコメントを紹介しよう。

MySpace上陸しても、mixiには勝てない4つの理由
http://kyounosinbun.cocolog-nifty.com/syasetu/2006/11/myspacemixi_f9ec.html

1.JASRACが日本にあるから
2.自由度が高すぎるサービスは日本ではあまりうけない
3.音楽ならmixiもすぐに対抗サービスが打てる
4.SNSは、国民性にあったものでないと広まらない

なかなか説得力のある内容だ。特に「SNSは、国民性にあったものでないと広まらない」という点は全く同感。MySpaceのバタ臭いテイストを好む人々はマジョリティではないと思う。

MySpaceがmixiを喰ってしまう方策
http://kaizawa.jugem.jp/?eid=258

極めて単純で、『myspaceにログインすれば、mixiのマイミク日記やコミュニティなどの更新情報がすべてわかるコンテンツアゲリゲーションの仕組みを実装してしまう』という、myspaceがmixiのサービスを包含してしまうような構造をつくってしまえば良いような。

ちょっと緩い論旨で、説得力に欠ける。(苦笑)しかし、mixiに替わるものに期待している気持ちはわからなくもない。
おそらく、MySpaceのポジショニングとしては、mixiを競合と考えるのではなく、SNSに限らず他のBlogサービスも含めた中でのオリジナリティを打ち出していくべきだと思う。
自由度の高いカスタマイズと音源や画像のマッシュアップぶりを喜ぶ層は確実に(多数ではないが)いるわけで、そこを深堀りしてマーケティングしていくことが強みになるだろう。


◆エンタメ系の著作権保護

MySpace、著作権者保護の方向へ
http://jp.techcrunch.com/archives/myspace-moves-to-protect-copyright-holders/

著作権物、特に音楽はソーシャル・ネットワーク成功のカギを握っている。MySpaceには300万以上のバンドがページを持っていて、今や MySpaceでのプレゼンスがバンドとして事実上の必須条件になっている。
競合のBeboも、スタートから1年ですでに30万以上のバントが利用していると最近発表した。

JASRACと調整中といわれるMySpace Japanだが、本国ではGracenoteとの提携を発表。

MYSPACE IMPLEMENTS UNAUTHORIZED COPYRIGHTED MUSIC CONTENT FILTERING SYSTEM
http://www.gracenote.com/gn_japan/corporate/press/article.html/date=2006103000

Utilizing Gracenote's MusicID™ audio fingerprinting technology and Global Media Database, MySpace will review all music audio recordings uploaded by community members to their profiles. The technology enables MySpace to identify copyrighted music audio recordings in the Global Media Database for designated rights holders, allowing MySpace to block the uploading of such works.

Gracenoteの"MusicID”という楽曲識別技術とGlobal Mediaデータベースを使って、MySpaceのメンバーページにある著作権侵害の音楽ファイルを見つけて、公開されるのを防いでいく。MySpaceは、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除通知に応じるのは無論、こうした技術的対応を整備していくことで、著作権保護に関してさらに前向きな姿勢を示したことになる。YouTube同様、こうした姿勢は今後のブランディング及びリスク回避の観点からも重要だ。
こうした動きをふまえて、日本国内でのJASRACとの交渉結果がどのような展開になるのか?興味深い。MySpaceがブレイクスルーをもたらすことに期待したい。


◆グローバルだけど日本では?

Rupert Murdochは、提携発表の記者会見の席上で、ソフトバンクについて「グローバルサイトのローカライズにも成功している」とコメントしたようだが、そもそもYahoo! Japanはローカライズというよりも半ば純国産品の感もある。
JVビジネスに関して、これまでソフトバンクが成功した事例はあまりないだろう。
そういう意味では、今回のソフトバンクとMySpaceの提携は、双方にとって利害は一致しているが、成功シナリオが今ひとつ見えてこない。やはり、モバイル・サイト次第というテスト・マーケティングの印象は拭えない。

MySpaceの巨大さは、サーバ・レスポンスの不安定さからも推察できる。(苦笑)
まだ日本版サービス用のチューンアップができていない、ということもあると思うが、これだけ大規模なコミュニティが画像や音楽をふんだんに使っているのだから、膨大なデータ・トランザクションだろう。
しかし、ユーザビリティにおいてサクサク感がないと、なかなか利用層は厚くならない。
(mixiが成功した要因のひとつは、急激なユーザー数増加にも関わらずDBシステムの拡張・運用を安定継続できたからだ。)

さて、十年近く前にAOLが日本に進出した際に、「黒船来襲?危うしニフティ」などという記事もあったと思うが、今回はどうだろう?
グローバル(といっても英語圏中心だろうが)なSNSサービスは、はたして日本ではどこまで健闘できるだろうか?

ネットビジネスに限らず一般論としていえば、米国最大の○○が日本国内でも最大になった事例は、ほとんどないのだから。


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